もあちゃんは焼き海苔が大好きだ。うどんやおにぎりに少し飽きると、ストッケの椅子から降りたいと主張し、焼き海苔のある扉を開けて「これ食べたい!」と言わんばかりにママのところに持ってくる。
すでに1/4に切っている海苔を、さらに1~1.5cm角になるくらいに小さく刻むと、もあちゃんはそれを一つずつ指でつまんで口に運ぶ。たまに海苔が床に落ちてしまうが、すかさずプーちゃんが食べるというフローができ上がっている。
しかしママがテーブルを片付け終えても、まだプーちゃんが舌をペロペロと激しく出し入れしていることに気がついた。あまりにもペロペロとしたせいで、アゴのところが唾液で白くなっていた。いったいコレは?
プーちゃんの上あごの部分を見ると、歯茎と上くちびるの裏の間に何やら黒いものが見えた。取り出してみると、もあちゃんが落とした海苔だった。海苔がくっついたのでしばらく悪戦苦闘していたのだ。人間でもくっついてなかなか取れないことがあるが、指や爪楊枝が使えない犬の大変さが理解できる。
海苔がプーの口の中で取れない。のりピーならぬ「のりプー」が誕生した瞬間だ。