プーちゃんを大人しく抱っこすることはもあちゃんの長年の夢だった。
亡くなる夜の10/1の昼間、Kのお姉さんが来たときに抱っこできた。そして亡くなるちょうど3時間前、もう一度プーちゃんを抱っこしたもあちゃん。プーちゃんは病魔に襲われ、身体もきつく、意識ももうろうとした状態で腕から逃れる気力さえもなかったに違いないが、再びプーちゃんを抱っこできて、もあちゃんは満足げだった。
満足したのはもあちゃんだけではない。プーちゃん自身ももあちゃんに抱っこしてもらい嬉しかっただろう。身体がだるいので、こめかみと首の後ろのマッサージの他、ときどき抱っこしてほしいというのが最後の希望だったから。
そういえば、プーちゃんは数日前から夜中に頻繁に寝る方向を変えていた。眠るのがもったいないし、気を失いたくないというのがその理由だったようだ。