ブブゼラと風鈴と泣き声

2010 FIFA ワールドカップの中継を見ていると、「ブォー」という虫の大群が来襲を思わせる低周波音が流れてくる。少し耳障りな音だ。これが「ブブゼラ」と呼ばれるチアホーンで、哺乳類の角で作った民族楽器が原型だという。
サッカー・ワールドカップ(W杯)では、このブブゼラを使った応援が広がり、各方面に影響が出てきている。人間の声の周波数と近いため試合では選手どうしの掛け声がかき消され、連係プレーにミスがでる。早朝から深夜までブブゼラの音が響き渡り、各国の代表選手が寝不足にななる。しかし、開催国南アフリカの伝統を簡単に禁止するわけにいかない。
ところで、日本の夏、キンチョー夏の風物詩である「風鈴」は、日本人の心に涼しさを感じさせる。しかし、これは多くの外国人にとって、金属音やガラスのぶつかる雑音以外何物でもないだろう。
乳幼児の泣き声も、人間の神経に障るような周波数帯域だという。これは泣くことでママやパパの注意を引き付け、何らかの不都合を知らせ、危険の回避をするためで、すぐには泣きやまない。
電車やレストランなど公共の場所での泣き声にストレスを感じる人もいるが、実は一緒にいるママやパパのほうがもっとストレスを感じている。ここは乳幼児の唯一のミュニケーション手段だと思って大目にみてほしい。子育ての経験がなかったときは、泣き声はストレスそのものだったが、今ではまったく気にならなくなった。むしろどうして泣いているのか想像したりしている。「育児は育自」ということか…。
さて、「日本VSオランダ」戦が近い。初戦のカメルーン戦では1-0で競り勝ち、勝てば1次リーグ突破の可能性が大きくなる。同時に、「ブブゼラ」の音も最高潮となりそうだ。