岩牡蠣

漁師の友人、石井さんから突然「岩牡蠣」が届いた。
石井さんは、現在島根県の北約50kmにある隠岐島(おきのしま)の海士町(あまちょう)に住む。もともとCM制作会社のディレクターをしていたが、その後ニューヨークに10年以上住んで仕事を続け、アメリカの最新情報も提供してくれた。数年前単身で日本に戻り、突然隠岐島に移り住んで漁師の修業を始めた。本人の言葉を借りれば、3年間の丁稚奉公を終え、ようやく漁師として一歩を踏み出したという。
収獲するものは「岩牡蠣」。海士町で収獲する岩牡蠣は、別名「あまがき」と呼ぶらしい。Mサイズ(250~300g)とSサイズ(200~250g)が5個ずつ、計10個入っていたが、どれも区別がつかないほど大きい。岩牡蠣は殻を外す下準備が大変だと思いきや、イラスト付きで丁寧な説明書とナイフが添えられていたので、パパが帰宅した時点でママが9個の処理を終えていた。さらに、むき身を簡単に洗うための、海士の海水を滅菌して凍らせたアイスバッグも添えられていた。塩分濃度を4%とし、浸透圧の差で旨みが逃げ出さないための心配りだ。
oyster.jpg見た目も大きくプリプリした弾力のある「あまがき」は、熊本レモンを絞って生でいただいた。味は多少塩分が残るものの、豊かな自然が育てた透明感のある味。これはもはや牡蠣であって牡蠣ではない。パパは「うまいっ!」を4連発。ママも「おいしい~!、ぜいたくぅ~!」を5連発。自ら最後の1個だけ下処理をさせてもらったパパは「やっぱり自分でやったのが最高!」と絶叫。娘は「かいはにおう~」と意味不明な発言をするも、興味津々だった。
石井さんは同封の手紙の中で次のように言う。「山のような岩牡蠣に囲まれて感じるのは、自然に育つのではなく、“自然が”育ててくれたことの有難さです。漁師は骨の折れる作業ですが、牡蠣が育つ環境をほんの少し手伝うだけです。大きくなった岩牡蠣と“対話”することで、いままで分からなかったこと、見えていなかったものが、少しは見えてきたような気がします。このような自然からの発見が何よりも嬉しく、これからも仕事を続けていく励みになります。」(一部改)
このシーズン、石井さんは約2万個の岩牡蠣を初出荷するという。海士町の岩牡蠣「あまがき」は、豊かな自然が育ててくれた美味しさに加え、漁師石井さんの岩牡蠣との誠意ある対話、自然を迎合する真摯な仕事ぶりが、牡蠣の美味しさを一層引き出しているように感じる。
本ブログのコメントかメッセージに投稿頂ければ、海士町の漁師・石井さんの「あまがき」の連絡先をお伝えします。誠意をもって対応してくれるとのことです。是非、一度ご賞味あれ!(※コメントはこちらで承認しないとブログには表示されません。承認して表示する場合でも、個人情報等は抹消しますのでご安心ください。)

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