佐久間の冬

ほぼ中央構造線の上に建つ実家は、海抜600m近くある。
標高が100m上がると気温が0.6℃下がるという理論が正しければ、平地に比べて3.6℃近く気温が低いことになる。玄関のガラス戸は水蒸気が氷の結晶を作っていた。コタツや石油ストーブで暖を取っているが、それでも家の中で手の甲が冷えてくる。寝ている時は顔だけが冷える。
寒さを感じる理由としては、都会の機密性の高い住宅で、床暖房やガスストーブに慣れてしまったことも大きい。手がかじかんで暖まると痒くなるまで冷えることもなくなった。実家では内と外との境界が曖昧で、風が強い冬にはすきま風が遠慮なく入りこむ。
2日間の滞在で身体は冷え切ってしまった。最寄駅から東京に帰るまで手は冷たく、帰宅後湯船につかっても足の冷えは解消されなかった。もし、風邪をひいているママ、風邪に端を発する浸出性中耳炎から回復途中の娘が滞在したら、さぞきつかっただろう。もっとも、ママの実家は雪が多く、寒さも佐久間とは段違いだろうが…。

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