震災から1ヵ月

東日本大震災から1ヵ月。大地震の揺れ、大津波、放射能汚染と三重苦となった。
駅構内では照明を落とし、電車は時間帯で1~2割前後の間引き運転で車内の照明を消している。会社では執務室やエレベータホールの電気を消し、食品スーパーは商品展示のショウーケースの照明を消している。問題の本質は節電自体ではなく、いかにピークをずらすかという点だ。計画停電が無くなる代わりに、夏は企業では20~25%、家庭では15~20%の総量規制になりそうで、なんとも薄暗い停電社会を迎えそうだ。
通勤通学では、帰宅難民を経験したせいか、リュック(デイバッグ)を背負う人が増えた気がする。また、靴屋に聞いたところでは、革靴とスニーカーの長所をあわせ持ったレザースニーカーの売上が伸びているという。また、タクシーの運転手は、車道を走る自転車が増えて危ないと指摘していた。
地震直後に買い占めで棚から消えた商品は、ほとんど補充され欠品が少なくなってきた。牛乳やヨーグルトは今でも品薄で、ミネラルウォーターも金町浄水場の放射能汚染の影響からか販売数を制限している店もある。買い占めは良くないが、消費を控える自粛も良くない。経済は循環の上に成り立っているので、自粛は東北地方の景気に悪影響を与え復興が遅れる。週末、羽根木公園では花見客で賑わっていたが、自粛は自粛する行動が正しいのではないか。
ビジネス面では、日本製紙の石巻工場や三菱製紙の八戸工場などが被災して紙不足になっている。紙を白くする過酸化水素水の工場やインクの工場も被災し、白い紙やインクの供給不足が起こりそうだという。印刷・出版業界などに中期的な影響が出始めている。
健康や体調の面では、余震の影響で地震酔いの症状(後揺れ症候群)を訴える人がいまだ周囲には多い。また、これほどの大災害を毎日ニュースで見聞きしていると、直接の被災者でなくても精神的な喪失感や脱力感を味わい、急性ストレス障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を起こしている人も多いだろう。また、見えない放射能汚染から少しでも身を守るためか、マスクを着けているが多い。
福島第一原発の放射能漏れの影響で、野菜や果物、魚介類の出荷制限や風評による受入拒否が続く。安全だと確認されているイチゴの「とちおとめ」でさえ、スーパー店頭では値崩れして200円前後になり、代わって博多「あまおう」などが幅をきかし始めている。放射能の拡散は、地形や風向などの気象条件によって変化するため、同心円を描き議論していることはほとんど意味をなさない。原発事故対策は一見進んでいるように見えるが、放射能を含んだ排水等の周辺対策に追われ進んでいない。対策の本質は炉心冷却だ。
原子力依存の電力政策、東京への一極集中、地方自治のあり方といった個々の課題だけでなく、何が幸せか、何が生きる上で大切かなど、人間が生きていく上での本質に迫る課題も突き付けたと思う。
もあちゃんは、「津波」の映像と「余震」の揺れだけは理解した。そしてベランダのイルミネーションが消えシーリングファンが回らなくなったことで、「節電」にも気づいている。4/12(火)は入園式。晴れて幼稚園生となるが、東日本大震災がこれからの教育に与える影響も大きいだろう。

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