週末というのに、天気が悪く気温も低い。ママも用事で外出し、帰宅は午後になった。
したがって、パパがもあちゃんと一緒に過ごし、お昼はパパが作ることになった。もあちゃんのお昼の定番は「うどん」。いつもならママが温かいうどんを作るのだが、もあちゃんの希望を聞いたら、『冷たいのがいい』というので、冷やしうどんを作ってみた。
作り方はいたって簡単。生うどんを熱湯で1分程度茹で、ざるに移して冷水で締め、皿に盛ってきざみ海苔をかける。つけ汁は、つゆの素を使い、もあちゃんの場合既定の希釈より少し薄め。さらにしらすとコーンを入れた特別のつゆだ。
皿への盛り付けは、大人の一口大にしたのだが、もあちゃんが7割食べてしまい、パパは3口程度しか食べられなかった。相当、パパの作った冷やしうどんが美味しかったに違いない。こうしたシンプルな料理こそ、料理人の腕が試されるのだ。そこで、もあちゃんに聞いてみた。
「ママの作ったうどんと、パパの作ったうどんは、どっちがオ・イ・シ・イ~?」
もあちゃんは少し考えながら、「ママの…」
と、期待を裏切るまさかの答。そこで思った。この質問文は長いから、さすがのもあちゃんも途中で注意力が途切れ、質問の意味が十分に理解できなかったのではないか。そこで、少し時間を置いて再び同じ質問をゆっくりと投げかけてみた。
「ママの作ったうどんと、パパの作ったうどんは、どっちがオ・イ・シ・イか~?」
今度は間髪いれずに「パパの…」と答えてくれた。しかしあることに気づいた。明らかにもあちゃんはパパの落胆を察知し、パパと答えなければマズイという雰囲気を感じ取っている。ママの温かいうどんの方が数倍美味いのに、あえてパパのうどんが美味しいと答える気遣い。2歳から気を遣わなくてもいいのに…。しかも、たかだかうどんで。
親子逆転は映画の世界だけかと思ったら現実にもあった。どっちが子どもでどっちが親なのか…。