平成の疎開

福島第一原発の事故による放射能漏れは、子どものいる家庭にじわじわと影響が広がっている。
昨日からの話題で言えば、葛飾区金町浄水場などで検出された「放射性ヨウ素」。その影響でスーパーの水は売り切れ、店頭在庫がある店でも一人2本迄と購入が制限された。食品衛生法では乳児は1リットル当たり100ベクレル、妊婦を含む大人は300ベクレルが基準値だ。210ベクレルが検出されたというが、大人も乳児と一緒になってペットボトルの水を飲むシビアな数字ではない。日本産科婦人科学会は、「妊娠中や授乳中の女性が200ベクレルの水道水を毎日飲んでも母親や赤ちゃんに健康被害は起こらない」との見解も公表した。
余談だが、放射性ヨウ素131は浄水器や煮沸で除去できるかどうかについては、データがないようだ。日本アムウェイの浄水器では除去できないとのコメントがあった。もともと放射性物質の除去を目的とした製品ではないため、仕方のないところだろう。
ブロッコリーやホウレンソウ、加工前牛乳などからも、規制値を超える放射性物質が検出され、出荷が停止されている。規制値の数倍~100倍を超えるのヨウ素やセシウムでもただちに健康被害が出るレベルではないが、すでに野菜の出荷の停止や制限がされているので、安全なものしか売っていない。ここでも無用な心配は不要だ。
最近ちらほら聞くのが、もあちゃん世代の関西方面などへの「疎開」。幼児には放射性物質の影響のない西方面へ避難させようという意図だ。もあちゃん世代でなくても、会社の隣人は福島二本松市の両親、妹と子どもと犬を東京に呼び寄せて「疎開」し、友人から聞いた話では、沖縄出身の知人が大震災直後に東京を捨て沖縄に戻ったそうだ。お向かいの米軍の外国人住宅では、特別なシェルターの中に隠れているかのように人影がなくなっている。
甲状腺に影響が大きい乳幼児には、念のため大事を取りたいという親の気持ちは自然だ。ミルクや離乳食は、水道水ではなくミネラルウォーターで作ってあげた方が良いとは思う。しかし、見えず臭いもない放射性物質はとかく必要以上に怖がってしまいがちだ。放射線量が1時間あたりなのか年間なのか、単位がミリ(千分の一)なのか、マイクロ(百万分の一)なのかなどを曖昧にしたまま語られてしまっている。国の基準を超える倍数の数字自体にも踊らされている。
今回を契機に最低限の知識を習得し、情報を適切に見極め、“適度にこだわる”ことが重要だと思う。

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コメント

  1. にこママ より:

    私もそう思います!
    うちの旦那は「こんなに放射能放射能言ってるけど、そんな人はまずタバコやめたほうがいいんじゃないか!!」と息巻いてます。
    「煙草のほうがはるかに発がん性がある!」と。
    てな訳でたいして気にしてなかった我が家ですがなんとわすれものの小田急OXの水のボトルを見つけ(ボトル自体は売り切れ)ありがたく水をいただくことに。(小田急OXのみずはヨウ素、カリウムは除去されているとか)もし水、気になるようでしたら、お届けにあがりますよ~。

  2. papa50 より:

    ホント、煙草の方が発がん率が高いよね。
    小田急OXの水の件、お気遣いありがとう。今のところ、小さなエビアンが2本だけだけど大丈夫だと思います。
    放射性ヨウ素は8日間で半減するし、雨が降らなければ水道水の放射線量は基準値以下が続きます。今は1歳未満の乳児や被災地の避難者のために譲ります。